この研究は、人類が約4000年前からビンロウが使用してきたことを明らかにしました。
そして、「誰がどのような習慣を持っていたのか」といった情報を個人単位で明らかにでた点でも注目に値します。
またこの手法は、将来的に他の精神活性植物(タバコ、大麻、コカなど)や薬用植物の使用実態の解明にも応用できると期待されています。
人類はどんな植物と出会い、それをどう使い、何を感じてきたのか。
歯石というタイムカプセルを通じて、私たちは過去の人々の“日常の感覚”に触れることができるのです。
「人類は4000年も前から“ハイ”になってきた」
そう考えると、今も昔も“気持ちよさ”を求める本能は、あまり変わっていないのかもしれません。
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参考文献
4,000-year-old teeth reveal just how long we’ve been getting high
https://newatlas.com/society-health/bronze-age-betel/
Ancient Thai teeth show we’ve been getting a buzz from betel nuts for at least 4,000 years
https://www.scimex.org/newsfeed/ancient-thai-teeth-show-weve-been-getting-a-buzz-from-betel-nuts-for-at-least-4-000-years
元論文
Earliest direct evidence of bronze age betel nut use: biomolecular analysis of dental calculus from Nong Ratchawat, Thailand
https://doi.org/10.3389/fearc.2025.1622935
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。