宇宙・国際連携・そして“持続可能な日本”へ

 防衛と並んで注力しているのが、宇宙領域との連携だ。現在はパートナー企業との共同研究を進めており、詳細は明かせないものの、防衛省以外の財源(SBIRや宇宙基金など)からの支援も得ているという。

「宇宙もまた、領域横断の一部。いまは国家戦略としても優先順位が高く、連携の必要性が増しています」

 安全保障環境が複雑化する中で、粟津氏は「日本の脅威はミスによるカタストロフィー」だと警鐘を鳴らす。つまり、悪意ある攻撃だけでなく、「うっかり」が即座に悲劇に繋がる時代。だからこそ、隣国との関係性や欧米諸国との連携を通じて、状況を正確に把握し、即時に対応できる仕組みが不可欠だという。

 最後に、粟津氏はスカイゲートテクノロジズが目指す未来についてこう語った。

「防衛テックで実現したいのは、“明日のことを安心して話せる社会”です。有事が起きないことが一番ですが、それに備えることで、私たちは初めて自由に生きられる。そのためにテクノロジーは進化し続ける必要があるし、私たちの挑戦も終わりません」

 防衛×スタートアップ、サイバー×物理、有事×平時──。あらゆる分断を乗り越え、未来の安心を築くために。スカイゲートテクノロジズの挑戦は、日本社会の“持続可能性”を問い直す実験でもある。

(文=UNICORN JOURNAL編集部)