■「走行注意」を「かっぱに注意」に変更したワケ
今回の写真が撮影された地点の交通事情について、遠野土木センター・道路河川整備課の担当者は「市道との交差点であり、交差点の注意を促す必要があるほか、冬季には風雪などにより路面凍結が発生しやすい地域です。そこで、当センターでは平2012年7月に供用を開始しました土淵バイパス(かっぱロード)の開通に伴い、交差点での注意を促すため2種類の表示が表示できる看板を設置することとしました」と、説明する。
通常であれば「凍結注意」と「走行注意」の2種類とすべき、シチュエーション。
しかし、担当者の口からは「現地近傍には地元・遠野市の観光名所である『カッパ淵』や『伝承』」があること、また道路の通称名にも「かっぱロード」の名が付いていることなどから『走行注意』の表示内容を『かっぱに注意』に変更いたしました」という、エピソードが飛び出したのだ。まさに「英断」である。

(画像=『Sirabee』より引用)
こうした取り組みを見て、「遠野はいつも、河童ネタばかり擦っている…」という印象を受けた人もいるかもしれない。

(画像=『Sirabee』より引用)
だが、担当者からは「現地には野生動物も多く生息しており、その飛び出しも多いことから、安全な走行をして頂くよう、注意喚起するため設置しているものです」とのコメントも得られている。

(画像=『Sirabee』より引用)
つまり、遠野にとって河童は単なるマスコットではなく、自然と人間の共存を象徴する存在と言えるのだ。