これは心理学的にも明らかだが、人間の記憶に残るのは「感情が動いた瞬間」である。喜怒哀楽のない日常は、いくら長く続いても、記憶には残らない。
子どもの頃に毎日が輝いて見えるのは、日々の出来事すべてが新鮮で、感情がビビッドに揺れ動いていたからだ。大人になると、何をしても「既視感」がつきまとう。新しいはずの体験ですら、「ああ、これ前にも似たようなことがあった」と思えば、心は動かなくなる。
だからこそ、大人にこそ必要なのは「感情が動く挑戦」である。リスクを取り、未知の世界に飛び込むことによってこそ、人生は再びドラマになる。
経験値は人を惹きつけ、有力者にも評価される
優れた経営者やリーダーたちは、「いくら資産を持っているか」よりも「どんな修羅場をくぐり抜けてきたか」に価値を置く。資産は分け与えることが難しいが、経験から得た知見は、他者にとっての学びとなり、共感を生む。
だからこそ、有力者や影響力のある人物たちが一目置くのは、「お金持ち」よりも「経験値持ち」である。人の心を動かす話をできるのは、数字ではなく、豊富な体験をもって語れる人なのだ。
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お金を否定するつもりはない。だが、お金は「何かを実現するための手段」にすぎない。手段があっても、それを「感情の動き」や「思い出」に変える力がなければ、人生は空虚になる。真の勝ち組とは、「経験値を積み、自分だけの物語を持つ者」である。
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