1:自己効力感が低い
2:SNSを長時間利用している
3:見逃すことへの不安(FOMO)が強い
「自己効力感」とは、自分には課題をうまく乗り越える力がある、やるべきことはしっかり遂行できると信じられる感覚のことです。
これは単なる自信ではなく、具体的な行動への見通しと深く関係しています。
研究によれば、自己効力感が低い人は「眠る」というごく基本的な行動に対してさえ、先延ばしする傾向があることがわかりました。
「できる気がしない」と思うと、人は寝ることすら躊躇する?
この研究では、自己効力感の低さがどのようにして就寝先延ばし行動につながるのか、さらに詳しく調べられました。
カギとなるのは、SNSの使用頻度とFOMO(見逃し不安)です。
FOMOとは「他人が自分の知らないところで楽しいことをしているかもしれない」と感じる不安のことです。
SNSで友人の近況や楽しそうな投稿を見ると、「今寝ている場合じゃない」「絶対に見逃してはいけない」と感じてしまう心理です。
研究チームは、自己効力感が低い人ほどSNSを頻繁に利用し、その結果、FOMO傾向が高まって、それが就寝先延ばし行動を助長するというモデルを提案しました。
そして統計解析の結果、このモデルは概ね支持されました。
ただし、SNS利用とFOMOは、あくまで「一部の要因」であり、自己効力感と就寝先延ばしの関係を完全に説明するものではありませんでした。
つまり、「できる気がしない」という漠然とした感覚自体が、行動全体に影響を与えている可能性があるのです。
さらに興味深いことに、FOMOが就寝先延ばしと関係するのは女性のみという性差も観察されました。
これはSNSとの心理的つながり方や対人関係への感受性が性別によって異なることを示唆しています。

「眠いのに寝ない」「明日早いのにスマホが手放せない」──そんな悩みの裏には、ただの意思の弱さではなく、もっと深い心理的な構造が潜んでいます。