明日も朝早いのに、気がつけば布団の中でスマホをいじり続けている。

動画もSNSも見尽くしたはずなのに、なぜか寝ようとしない。

そんな経験はありませんか?

実はこの「することがないのに寝ない」行動には、ある心理的特徴が関係していることが、韓国・嶺南(ヨンナム)大学校(YU)の最新研究で明らかになりました。

中国の大学生468人を対象にした調査では、就寝前の無意味な時間浪費、いわゆる「就寝先延ばし行動(Bedtime Procrastination)」と、ある心理的能力との間に密接な関係があることが示されています。

そのカギを握るのは「自己効力感」と呼ばれる、“自分ならできる”という内なる信念でした。

研究の詳細は2025年3月22日付で学術誌『Psychological Reports』に掲載されています。

目次

  • なぜ「寝なきゃいけない」のに寝ないのか?
  • 「できる気がしない」と思うと、人は寝ることすら躊躇する?

なぜ「寝なきゃいけない」のに寝ないのか?

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Credit: canva

「眠いのに寝ない」「特にやることもないのに寝ようとしない」──こうした行動は、単なるだらしなさや怠け癖では説明できません。

心理学ではこの行動を「就寝先延ばし行動」と呼びます。

研究によれば、これはタスク回避型の一般的な先延ばしとは異なり、就寝という“自分にとって良いこと”を遅らせるという点で独特の性質を持っています。

多くの人が、寝る直前になるとスマートフォンでSNSを見たり、動画を延々と再生したりします。

こうした行動の裏には「夜ぐらいは自分の時間を持ちたい」「何かを逃しているかもしれない」といった心理が潜んでいます。

最新の研究では、中国の吉林・遼寧・山東省に住む大学生を対象に、就寝先延ばし行動と心理的要因の関係を調査しました。

その結果、就寝を先延ばしにする人々には、共通して以下の特徴が見られました。