日本(青)はドル換算値でも増加傾向が続いていて、ドイツと共に非常に高い水準に達しています。
アメリカは2010年代まで、フランスは2000年代まで、イギリスは2000年代中盤まで高めの水準でしたが、その後低下しています。
カナダが常にマイナスで推移しているのも非常に興味深いですね。
海外への支払が常に超過している事になります。
3. 1人あたりの国際比較
次に、人口1人あたり財産所得(正味)について、国際比較してみましょう。

図3 1人あたり財産所得(正味) 2023年
図3が1人あたり財産所得(正味)の国際比較です。
上位はノルウェー、デンマーク、スウェーデンと北欧諸国が並びます。
日本は2010ドルで先進国第4位、G7で1位となっています。
ドイツ、スイス、韓国も水準が高い方になるようです。
一方で、ルクセンブルクやアイルランドが極端にマイナス額が大きいのも特徴的です。
特にアイルランドは近年経済水準が急激に高まっている国です。
他国からの投資が増え、財産所得としての支払が大きく超過している様子がわかります。
4. 対GDP比の推移
つづいて、金額ではなく対GDP比についても確認してみましょう。

図4 財産所得(正味) 対GDP比OECD Data explorerより
図4が主要先進国の財産所得(正味)対GDP比の推移です。
基本的には人口1人あたりのドル換算値とそれほど変わらない位置関係ですが、日本の水準の高さが一層際立っていますね。
日本は海外からの受け取り超過がGDPの6%近くに達している事になります。
5. 対GDP比の国際比較
最後に、財産所得(正味)対GDP比の国際比較です。

図5 財産所得(正味) 対GDP比 2023年OECD Data Explorerより
図5が財産所得(正味)対GDP比の国際比較です。
対GDP比で見ると日本が最も高い水準となるようです。
プラス側は比較的所得水準の高い国々が並びます。