しかしそうなると気になるのがその原因です。

45億年前に地球と衝突した惑星「テイア」の残骸がアフリカ大陸と太平洋の地下に眠っている
45億年前に地球と衝突した惑星「テイア」の残骸がアフリカ大陸と太平洋の地下に眠っている / Credit:wikipedia

研究では、主な原因が重力の不均衡にあると述べています。

地球の外核やマントル部分の密度は意外なほど不均一であることが知られています。

たとえば2023年に行われた研究では、月が作られる原因となった原始地球に衝突した惑星テイアの異物が、地球内部に不均一に分布していることを示しています。

月を形成した「ジャイアントインパクト」が地球のプレートテクトニクスを起動した!?

研究者たちは、このよう不均一な外側の密度分布は不均衡な重力を発生させ内核の速度に影響を与えるのではないかと推測しています。

研究者たちは今後継続的にデータを収集し、内核の速度変化の長期的な推移を調べていくと述べています。

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参考文献

USC study confirms the rotation of Earth’s inner core has slowed
https://today.usc.edu/usc-study-confirms-the-rotation-of-earths-inner-core-has-slowed/

元論文

Inner core backtracking by seismic waveform change reversals
https://doi.org/10.1038/s41586-024-07536-4

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部