そしてチームは三葉虫の体の仕組みを詳しく調べるために、X線マイクロトモグラフィー (XRμCT)を使って、印象化石から三葉虫の全体像を3D復元しました。
その結果、研究者たちも驚くほど精巧な三葉虫が復活しています。
ブリストル大の古生物学者であるハリー・バークス(Harry Berks)氏は「コンピュータ復元は骨の折れる作業でしたが、復活した三葉虫はまるで生きているようで、今にも岩から這い出てきそうでした」と評しました。
またロンドン自然史博物館のグレッグ・エッジコム(Greg Edgecombe)氏は「40年近く三葉虫を研究していますが、これほど生きた姿を見ていると感じたことはありませんでした」と述べています。
実際の復元映像がこちら。
(※ 音声はないので、そのままご覧いただけます)
ご覧の通り、硬い外骨格だけでなく、腹部に並んだ脚も生きていたときと同じ配置で精巧に残されていました。
脚の関節に沿った小さなトゲトゲや感覚毛まで保存されており、三葉虫はこれらを巧みに使って獲物を捕まえたり、引き裂いたりしたと考えられます。
さらに獲物を噛み砕く口部や、その両端についている2つのスプーン状の付属肢も確認できました。
口部がこれほど鮮明に見れたのは初めてだといいます。

それだけではありません。
火山灰が消化管をも満たしていたおかげで、三葉虫の体内の細かな構造までも復元できたのです。
また驚くべきオマケとして、三葉虫の口部に「腕足動物」という小さな生物も付着していました。
以上の結果は、三葉虫の形態や生態をこれまでにない詳細さで理解するための貴重な情報源となります。