「どこに注目するか?」で相手の力量を測っている。ありきたりなWhatの質問や、検索すればすぐ出てくるような質問ではなく、「なぜその判断を下したのか?」というWhyの質問を投げかけることが、相手の思考に敬意を示す行為となる。
たとえば、「もう少し待てば楽に動けるタイミングがあると知っていながら、なぜ大変なタイミングで起業されたのですか?その時に何か勝算が見えていた、ということでしょうか?」という質問だ。
こうした質問は「相手の思考や行動」から価値を見出そうとする姿勢である。これにより、相手は「この人は思考のプロセスに興味を持っている=伸びるタイプ」と認識する。
筆者自身も相手の思考や行動に興味を持つ。それらは検索やAIでは答えを引き出せず、相手に質問するしかない。加えて、思考や行動からは多くの有益な情報を引き出すことができる。過去にそのように質問して、相手の行動理由からフロンティアスピリッツを見出して、ビジネスの姿勢に反映したことは何度もあった。
ノウハウは今どき検索すれば出てくるが、結局差をつけているのは一流の持つ思考や行動なのだ。
3. 相手の時間を節約する
有力者ほど忙しく、多くの意思決定を抱えている。その時間的価値を理解し、積極的に自らが「手間を引き受ける」姿勢を示すことが、信頼構築の近道である。
たとえば、打ち合わせ後に「ここまでの議論を要点にまとめました」「次のアクション項目を整理しました」といったメールを送る。これは単なるマメさではなく、ビジネスにおける「比較優位の原則」を理解している証左である。
つまり、自分の時給は相手より安く、相手はより重要な仕事に時間を充てるべき存在であることを経済原理を肌で理解している人間に、優秀なビジネスマンは自然と一目置く。
4. 「調べた上で会う」リサーチの習慣
相手に時間を割いてもらう以上、「事前に調べておく」ことは礼儀である。
最近のSNSの投稿、インタビュー記事、過去の経歴などを軽く確認しておくだけで、話題の深さが変わる。