つまり、ゴースティングは一見穏やかで角の立たない別れ方に見えますが、実際には相手の心理的回復を大きく妨げてしまう――そんな「優しくない終わり方」なのです。
研究者は今後、実際のゴースティング体験をリアルタイムで記録する方法にも注目しています。
たとえばスマートフォンアプリなどを使って、どの段階で人が「ゴースティングされている」と気づくのか、そしてそのとき人はどんな感情や行動をとるのか――そうしたプロセスをより細かく追跡することで、さらに深い理解が進むと期待されています。

この研究が教えてくれるのは、「別れのつらさ」は、その方法によって大きく変わるということです。
ただ沈黙して消えるだけのゴースティングは、「拒絶」の痛みと、「終わったのかすらわからない」という混乱の両方を人に与えます。
そして、そのダメージは、直接「もう会わない」と言われるよりも、心に長く残りやすいのです。
恋愛の終わりに正解はありませんが、少なくとも人に傷を残さないためには、「はっきりと伝える」ということが、いかに大切かを改めて考えさせられます。
全ての画像を見る
参考文献
Psychologists simulate ghosting—and reveal why it’s so damaging
https://www.psypost.org/psychologists-simulate-ghosting-and-reveal-why-its-so-damaging/
元論文
Give Up the Ghost: Emotional and Behavioral Responses to Ambiguous Rejection
https://doi.org/10.1111/pere.70018
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部