参加者には、どのくらいの頻度で清涼飲料水を飲んでいるか(砂糖入り/人工甘味料入りの両方)を尋ね、4つのグル―プ(月に1回未満、月に1〜3回、週に1〜6回、毎日1回以上)に分類しました。
そして、調査期間中に新たに糖尿病と診断された人(=発症者)との関連を統計的に分析しました。
このとき研究者たちは、飲酒、喫煙、食生活、運動習慣、BMI(体格指数)、腹囲など、他の影響因子を取り除くための調整も入念に行っています。
人工甘味料入り飲料を1日1本飲む人は2型糖尿病リスクが38%も高い

まず最初に明らかになったのは、人工甘味料入り飲料を1日1本以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて2型糖尿病のリスクが38%も高いという事実でした。
一方、砂糖入り飲料(SSB)を1日1本以上飲む人では、リスク増加は23%でした。
では、なぜこのような結果になったのでしょうか。
研究チームが「肥満の影響(BMIと腹囲)」を統計的に調整したところ、砂糖入り飲料によるリスク上昇は消失しました。
つまり砂糖入り飲料と糖尿病の関連性は、主に体重増加によって引き起こされていると分かります。
一方で人工甘味料飲料によるリスクは再調整した後も変化しませんでした。
つまり、人工甘味料を摂っている人の糖尿病リスクが増加するのは、体重増加とは別の原因があるということです。
ではなぜ、「カロリーゼロ」のはずのダイエット飲料がそんな結果をもたらすのでしょうか?
研究者たちは、いくつかのメカニズムが関係していると考えています。

例えば、腸内細菌のバランス(マイクロバイオーム)の乱れが関係しているかもしれません。
一部の人工甘味料は腸内の善玉菌を減らし、糖の吸収を乱す可能性があるのです。