「体重が気になるから、人工甘味料入りのダイエットソーダを飲むようにしている」という人は少なくありません。
砂糖の摂りすぎは太るから、ダイエット飲料で“賢くカロリー制限”しているつもりです。
でも、それが健康にいいとは限らないという驚きの研究結果が報告されました。
この研究を行ったのは、オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)を中心とする研究チームで、約14年にわたる追跡調査によって、人工甘味料入り飲料を毎日飲むと、糖尿病のリスクが38%も増加することを明らかにしました。
この発見は2025年5月16日付の『Diabetes & Metabolism』誌に掲載されました。
目次
- 美味しくてダイエット向き?3万6千人以上を対象に「ゼロカロリー飲料」の影響を調査
- 人工甘味料入り飲料を1日1本飲む人は2型糖尿病リスクが38%も高い
美味しくてダイエット向き?3万6千人以上を対象に「ゼロカロリー飲料」の影響を調査
世界中で糖尿病患者が急増しています。
特に成人が発症する「2型糖尿病」は、食生活や運動不足など生活習慣の影響が大きいとされており、世界の患者数は5億人を超えるとも言われます。
その予防のために注目されてきたのが、「ゼロカロリー」や「糖質オフ」をうたったダイエット飲料です。
砂糖の代わりにアスパルテーム、スクラロース、サッカリン、アセスルファムKなどの人工甘味料を使って、甘さはそのままにカロリーを抑えた製品です。

しかし近年、これらの人工甘味料にも「「健康への悪影響があるのでは?」という懸念が高まり、研究が進められています。
今回の研究では、オーストラリア・メルボルンに住む40~69歳の成人36,608人を対象に、1990年代から14年にわたって追跡調査が行われました。