仮にパレスチナが国家承認を受ければ二国家解決(Two State Solution)という1974年に国連が提示した両地域間の問題解決のプロセスに踏み出すことになります。これは大きな進展でもあり、賭けでもあり、イスラエルにとってはあまり都合のよくない事態であるとも言えます。

本来であれば紛争に首を突っ込みたくないが故に大勢が支持ずる片方のみを支持承認するという外交政策の転換ともいえ、仮にパレスチナでそれが実施されるなら将来、台湾への布石となってもおかしくないかもしれません。

ところでアメリカにおけるトランプ氏のApproval Rateは下がる一方ですが、戦争嫌いという点ではそのポリシーはブレておらず、国家間紛争に尽力をしてきたことは事実です。先般もタイとカンボジアの紛争を止めましたが、確かに両国に対し、関税の脅しをしたにせよ、成果は成果であります。またこれはまだどうなるか継続チェックが必要ですが、ポーランド首相がウクライナにおいてロシア兵の動きから停戦に向けた準備をしているようだと発言しています。詳述は避けたようですが、首相の発言は重く、それが事実だとすればトランプ氏がプーチン氏への停戦か制裁かの判断を迫る手法は効果的であると言えます。

またインドに対してロシアとの取引にかかるペナルティ関税を含め、8月1日の関税交渉の期限を動かさないことを表明しています。これらの制裁の効果が表れ、本当にロシアとウクライナが停戦すればそれはトランプ氏の停戦への絶大なる力を追認することになり、ネタニヤフ首相の立場も別の意味で苦しくなるでしょう。

ところでこのところ、原油価格がじわじわと上がっていますが、これはインドや中国への「ロシア ペナルティ」により彼らがロシア産原油から他地域への原油供給源の確保に動くなら原油は足りなくなるという理由からであります。なかなかすべてが丸く収まるということはなさそうです。