一方、「ローマ人への手紙」第8章34節によると、「イエスはよみがえって神の右に座し、また私たちのために取りなして下さるのである」。さらにイエスは神を父と呼び、自ら神でないことを明らかにしている。イエスは十字架上で「わが神、わが神、どうして私をお見捨てになったのですか」(「マタイによる福音書」第27章46節)と述べている箇所などは、「イエスが神ではない」ことを示している聖句だ。

すなわち、聖書には「イエスは神」という聖句と「イエスは神ではない」という聖句が記述されているわけだ。この一見矛盾する聖句を如何に合理的に解明するか、という課題はキリスト者に依然残されているのだ。

レオ14世インスタグラムより

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年7月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。