さらに、7000歩と2000歩を比較すると、心疾患の発症リスクは25%、関連する死亡リスクも47%減少していました。

がんの発症リスクに関しては有意な減少は見られませんでしたが、がんによる死亡リスクは37%低下しており、明確な効果が示されました。

また、認知症については7000歩で38%のリスク低下が確認され、それ以上歩数を増やしても効果の伸びは緩やかであるとされています。

加えて、うつ症状の発生率は22%低下し、転倒リスクも28%減少していました。

研究チームは「少ない歩数でも、増やせば増やすほど健康効果がある」と指摘しています。

たとえば、過去のメタアナリシスでも1日4000歩で健康効果が得られることが報告されており、7000歩はその上で「現実的で到達可能な、最大効率のスイートスポット」と位置づけられました。

また、年齢別にみると、高齢者ではより少ない歩数でも効果が現れやすい可能性があり、個々の体力や健康状態に応じた目標設定が求められます。

副著者であるキャサリン・オーウェン氏は「すでにアクティブな人にとって1万歩は良い目標だが、多くの人にとっては7000歩でも十分すぎる成果が得られる」とコメントしています。

では、7000歩という新たな指標を私たちの生活にどのように当てはめられるでしょうか。

新指標「1日7000歩」をどうやって日常生活で達成できる?

「1日7000歩」という新たな指標は、私たちの日常にどのように取り入れれば良いのでしょうか?

まず、7000歩というのはざっくり言えば、約5km、時間にして60分程度の軽いウォーキングに相当します。

しかしそれを「一度にやらなければならない」わけではありません。

通勤の一部を徒歩に変えたり、昼休みに15分歩いたり、階段を使うなど、小さな“歩き”の積み重ねでもOKです。

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1度に7000歩達成するのではなく、通勤などを上手に利用しよう / Credit:Canva