ここで注目したいのが、米ノースウェスタン大学(Northwestern University)の2014年の研究です。
この研究では、感情的なニーズを1人の友人にすべて委ねるのではなく、目的別に複数の友人に分散したほうが、心の健康に良いと報告されています。
つまり、「怒りを共有する友人」「涙を共にする友人」「笑い合う友人」など、それぞれに役割を持った友情のネットワークを築いた方が、私たちはラクになれるというのです。
恋愛関係のように「オールインワン」を求めてしまうと、期待が重荷になり、相手にも負担をかけてしまいます。
友情はそれよりも、もっと柔軟で、多様であっていいのです。
そしてこうした友情観をもつなら、「年々減っていくかもしれない友人との繋がり」を維持するのにも役立ちます。
お互いが変化しても友人であり続ける方法

友情の形は様々だと分かっても不安になることはあるものです。
「あの友達は私に全然連絡をくれない……もう終わったのかな?」と感じたことがあるかもしれません。
しかし、フランコ博士はそうした状況に対して、「友人とは、異なるタイムラインで生きている可能性がある」という視点も与えてくれます。
博士自身も、かつては「自分ばかりが連絡している」と悩んでいたそうです。
しかし一歩引いてみたことで、後になって相手の方から連絡が来たという体験がありました。
つまり「連絡が来ない=嫌われた」ではなく、単に今は相手にその余裕がないだけかもしれません。
友情においては今すぐの返答や頻度ではなく、長期的なリズムの違いを理解することが大切なのです。
また、ある調査では、「私たちは平均して、7年ごとに友達の半分を失う」というデータも示されています。
これは人間関係における自然な流れとも言える現象です。
ライフステージが変わり、職場や住居が変われば、人との距離も変化します。
