2005年の顔はジェラードやアロンソだったが、今のリバプールではMFカーティス・ジョーンズなどアカデミー出身の若手が成長している。DFアレクサンダー・アーノルドのレアル・マドリード移籍は衝撃だったが、MFカーティス・ジョーンズなどアカデミー出身の選手が躍進し、クリエイティブかつ戦術的で柔軟性を持つ中盤が形成されつつある。

左右のサイドバック(SB)の後釜には、DFジェレミー・フリンポンやDFミロシュ・ケルケズなど新たなフルバック陣が台頭し、世代交代は着実に進行している。リバプールは2024年にアルネ・スロット新監督の下で再出発を迎えた。オランダ人の若き戦術家であり改革者とされる新指揮官が、クロップ退任後の舵取りを担い、昨季は5シーズン振り2度目のプレミアリーグ制覇を成し遂げた。

今回の来日は、その“新たなリバプール像”を示す機会でもある。ファンとしては、生まれ変わったリバプールを体感できることだろう。


リバプール 写真:Getty Images

変わり続けるクラブの変わらない誇り

20年という年月の中で、クラブのスタイルもサッカーそのものの潮流も大きく変化した。それでも、リバプールというクラブの中核には変わらぬ誇りと熱狂が息づいている。どの時代にも変わらず聖地アンフィールドに響く「You’ll Never Walk Alone」の歌声は、選手とファンをつなぐ絆であり続けてきた。

そんなクラブの軌跡と未来をつなぐ象徴的なイベントとなる来日試合。かつての英雄たちを思い出しながら、いま目の前にいる新世代のレッズ(リバプールの愛称)を見届ける。20年前にスタジアムで拍手を送ったファンも、今回初めて目にする若いサポーターも、それぞれの想いと期待を胸に真夏の一戦に臨もう。