
2025年夏、リバプールが約20年ぶりに日本の地を踏む。7月30日には『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025』として、横浜F・マリノスとの一戦に臨む。
この試合は単なるプレシーズンマッチにとどまらない。欧州屈指の名門クラブが、この20年間で何を築き、いかに変化したかを体現する場であり、同時にクラブの“次なる成長”の布石ともなる重要な一戦だ。
ここでは、リバプールの過去を振り返りながら、未来を見据えるこのタイミングでの来日試合を読み解いていく。

20年前の来日メンバーと試合の記憶
リバプールの来日は、2005年のFIFAクラブワールドカップにさかのぼる。”イスタンブールの奇跡”と呼ばれる劇的な決勝戦でUEFAチャンピオンズリーグを制し、欧州王者としての誇りを胸に来日した。
当時のリバプールには、キャプテンのMFスティーヴン・ジェラードを筆頭にMFシャビ・アロンソ(現レアル・マドリード監督)、FWルイス・ガルシア、FWピーター・クラウチなど個性的かつ堅実な選手が揃っていた。戦術は、堅守速攻を基調とした4-4-1-1。コンパクトなブロックを形成し、中盤の強度で試合をコントロールするスタイルだ。
日本ではまだ「プレミアリーグといえばマンチェスター・ユナイテッド」のイメージが強かった時代に、赤いユニフォームの威厳やジェラードの存在感が多くの日本人サッカーファンに強烈な印象を残した。

進化したリバプール
その後、リバプールは大きな変貌を遂げる。2010年6月にラファエル・ベニテス監督が退任すると、ロイ・ ホジソン(2010年7月-2011年1月)、ケニー・ダルグリッシュ(2011年1月-2012年5月)、ブレンダン・ロジャーズ(2012年6月~2015年10月)がそれぞれ指揮を執ったが、2015年10月に就任したユルゲン・クロップ体制で黄金時代を築いた。2017年にはジェラードがユースの監督へと転身している。