ところがジェイン氏らの研究により、同サイズのヘビでも丸呑みできる獲物のサイズは大きく異なると判明しました。
ビルマニシキヘビは下顎骨の間に「超伸縮性」の皮膚をもつ
研究チームは、大型ヘビ2種、ビルマニシキヘビ(学名:Python bivittatus またはPython molurus bivittatus)とミナミオオガシラ(学名:Boiga irregularis)を分析し、丸呑み可能な獲物サイズを比較することにしました。
43匹のビルマニシキヘビと19匹のミナミオオガシラを対象に、安楽死させた直後にそれぞれのヘビの口がどこまで開くか調べたのです。
その結果、ビルマニシキヘビは、ミナミオオガシラの4~6倍も大きく口を広げることが可能だと判明しました。
画像サンプルでは、頭胴長(全長から尾部を除いた長さ:体長もしくはSVLとも表現される)が61cmのビルマニシキヘビが口を縦に22cmも広げています。
また画像内の小さな白い囲みでは、頭胴長40cmのミナミオオガシラが口を縦に5.7cm広げています。

ではどうして、開口面積にここまでの違いが生じるのでしょうか?
研究チームによると、その秘密は「下顎骨の間の皮膚」にあるのだとか。
ビルマニシキヘビの左右に分かれた下顎骨の間には超伸縮性の皮膚が備わっており、この部分が他のヘビよりも伸びることで、結果的に口をより大きく開けることが可能なのです。
画像の矢印は、下顎骨の先端の位置を示しています。
ビルマニシキヘビの下顎の間の皮膚が、下顎骨を大きく超えて、下に伸びているのが分かりますね。