破った際に必ず「指摘」があること
ルール違反が放置されれば、ルール自体の信頼性が崩れ、組織は空気と感情で動くようになります。違反には必ず指摘を行うことで、「ルール=機能する基準」になります。
3. なぜ「今」ルールが必要なのか?
多くの企業が今、変革期にあります。新規事業への挑戦、DX化、組織再編、働き方改革など、従来の型が通用しない変化が求められています。その中で、「現場の判断に任せる」「自律性を重んじる」といった運営が称賛されがちですが、それは本来“判断軸が共有された後”に機能するものです。
ルールが存在しない中での自由は、単なる放任です。判断基準が個々人に委ねられると、組織として一貫性を失います。そして一貫性を失った組織には、責任の所在が曖昧になり、成果も偶発的なものになります。
変化の激しい時代だからこそ、組織はまず「ぶれない軸=ルール」を設けることで、メンバーが「どう動けばよいか」を迷わず行動できる状態をつくる必要があります。
つまり、「自由に動ける状態」とは、「ルールがあるからこそ実現できる」のです。
4. 実践事例:「ルールの明文化」で組織が変わった
ある企業では、営業活動における報告方法が各人に任されていました。その結果、日報を出すタイミング、内容、頻度に大きなバラつきが生じ、上司の管理負荷も高く、正しい評価が難しい状況でした。
報連相に関するルールを「Slackで18時までに報告」「案件ステータスは週1で更新」などと期限と状態を明確にして明文化したところ、報告精度とタイミングが安定し、上司のマネジメントが格段に効率化されました。
さらに評価基準も「訪問件数」「商談化率」など、行動に基づく定量指標に変更されたことで、部下が「どうすれば評価されるか」を理解しやすくなり、主体的な行動が増加しました。 このように、ルールの明文化は「管理が厳しくなる」のではなく、「自由に成果を出しやすくなる」ための基盤なのです。