4. プレゼント包装が仇に…手榴弾をきつく包みすぎた男

** (ウラジミール・アルチュニアン vs ジョージ・W・ブッシュ大統領、2005年) **

歴史を変えた奇跡の暗殺失敗劇5選!“ポンコツ”だった暗殺者たちの画像5
(画像=Photo by Eric Draper. Public Domain, viaWikimedia Commons.)

 2005年、ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシ。ブッシュ大統領が群衆の前で演説している最中、ウラジミール・アルチュニアンはソ連製のRGD-5手榴弾を投げ込んだ。

 赤いハンカチに包まれた手榴弾は、演壇近くに落下。しかし、爆発は起きなかった。なぜか?アルチュニアンが手榴弾をハンカチで「きつく包みすぎた」ため、安全レバーが作動せず、不発に終わったのだ。ブッシュ大統領がこの事件を知ったのは、数時間後のことだった。

 後に逮捕されたアルチュニアンは、すべてを自白し終身刑となった。

5. ワルキューレ作戦。ヒトラーを救った、たった1本のテーブルの脚

** (クラウス・フォン・シュタウフェンベルク vs アドルフ・ヒトラー、1944年) **

歴史を変えた奇跡の暗殺失敗劇5選!“ポンコツ”だった暗殺者たちの画像6
(画像=German Federal Archives,CC BY-SA 3.0, viaWikimedia Commons.)

 歴史上最も有名な暗殺未遂事件、「ワルキューレ作戦」。クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐は、東部戦線の総統司令部で、ヒトラーの足元に時限爆弾入りのカバンを置いた。

 爆弾は爆発し、会議室は粉々になった。しかし、ヒトラーは生きていた。爆風の威力が、分厚いオーク材のテーブルの脚に阻まれ、奇跡的に致命傷を免れたのだ。爆発の直前に、彼がわずかに身を乗り出していたことも幸いした。

 作戦は失敗。首謀者たちは即座に処刑され、その後の粛清で5000人近くが命を落とした。たった1本の頑丈な家具が、世界の歴史を大きく変えてしまったのである。

 歴史の歯車は、時にこんな些細な偶然で大きくその向きを変える。

 銃の湿り気、胸ポケットの原稿、そして分厚いテーブルの脚…。もし、これらの「もしも」が一つでも違っていたら、私たちの知る世界は今とは全く異なる姿をしていたのかもしれない。

 成功した暗殺が歴史を創る一方で、壮大に失敗した暗殺は、私たちに「運命のいたずら」という、もう一つの物語を教えてくれるのだ。

参考:Listverse、ほか

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