そうした自己認識の高まりが小脳の感情的興奮の刺激反応を起こし、顔が赤くなる現象につながるものと予想されます。

今後の課題

その一方で、チームは「この結果はまだ慎重に解釈するべきである」と述べています。

今回のような参加者の性別・年齢や赤面を誘導する条件が限定されている状態では、赤面に関わる脳の働きを完全に解明したとは言えません。

そこでチームは今後、幅広い年齢層や実験条件でのさらなる調査を進めたいと考えています。

それによって得られた知見は、赤面症に苦しむ方々の助けともなるかもしれません。

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参考文献

Singing for science: using karaoke to examine blushing
https://www.uva.nl/en/shared-content/faculteiten/en/faculteit-der-maatschappij-en-gedragswetenschappen/news/2024/07/using-karaoke-to-examine-blushing.html?cb

Scientists are surprised by the real reason people blush
https://www.zmescience.com/medicine/mind-and-brain/scientists-are-surprised-by-the-real-reason-people-blush/

元論文

The blushing brain: neural substrates of cheek temperature increase in response to self-observation
https://doi.org/10.1098/rspb.2024.0958

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。