これは女性たちが同性を性間競争のライバルとみなすかどうかは、個々人に備わっている競争心ではなく、純粋に相手の「胸の大きさ」に強く左右されることを示唆するものです。

Dカップ以上は警戒すべき天敵とみなされ、A・Bカップは性間競争の標的にはされないのかもしれません。

攻撃を受ける確率(Dカップが一番高い)
攻撃を受ける確率(Dカップが一番高い) / Credit: Ray Garza et al., Sexes(2024)

しかし皆さんもおそらくお気づきのように、今回の研究には色々と限界点もあります。

例えば、参加者がヒスパニック系の若い女性のみを対象としていること、性間競争に影響を与えそうな「顔」や「身長」「性格」が考慮されていないことなどです。

他にも「化粧」や「服装」「谷間の露出度」なども結果に影響するのではないかと予想されています。

そこで研究チームは今後、対象人数や文化圏、身体的特徴の条件をより幅広く設定した調査を行いたいと考えています。

変わった研究にも思えますが、人間の社会的な関係を理解しようとするとき、こうした様々な傾向を少しずつ調べてデータを蓄積していくことが重要となります。そして人類はこうした研究者の探究心によって発展してきたのです。

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参考文献

Women show increased aggression toward those with larger breasts, study finds
https://www.psypost.org/women-show-increased-aggression-toward-those-with-larger-breasts-study-finds/

元論文

The Role of Breast Morphology in Women’s Rival Derogation Tactics
https://doi.org/10.3390/sexes5030012

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。