また、たとえ夜遅くに深部体温や心拍数が上昇することによって睡眠にマイナスの影響があるとしても、今回採用されたような短時間の軽い筋トレでは、そのような影響は生じにくいと考察しています。
筋トレ自体が体力向上や筋力の維持・増強に役立つことは広く知られていますが、その効果が睡眠の量にも波及するという点は、興味深いものです。
この結果は、健康のために運動をしたいけれど、なかなか時間が取れないし、寝る前の運動は良くなさそうと躊躇している人にも、運動をするメリットを教えてくれています。
また、この程度の運動であれば、たいして汗もかかないため、筋トレのために、わざわざ着替えるなどの手間を割くことも出来ます。
ということで、たっぷり寝たい人は、まずは仕事終わりの夜のリラックスタイムに、軽い筋トレを取り入れてみてはいかがでしょうか?
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参考文献
Want to sleep longer? Adding mini-bursts of exercise to your evening routine can help, says study
https://medicalxpress.com/news/2024-07-longer-adding-mini-evening-routine.html
元論文
Evening regular activity breaks extend subsequent free-living sleep time in healthy adults: a randomised crossover trial
https://doi.org/10.1136/bmjsem-2023-001774
ライター
髙山史徳: 大学では健康行動科学、大学院では体育学・体育科学を専攻。持久系スポーツの研究者として約10年間活動。 ナゾロジーでは、スポーツや健康に関係する記事を執筆していきます。 価値観の多様性を重視し、多くの人が前向きになれる文章を目指しています。