もう寝ようか、という時間になって「そういえば今日なにも運動してなかったな」と気づくことはよくあります。
そんなとき、寝る前に運動したら目が冴えちゃうかもしれないからやめておこうと、運動を避けたりしていないでしょうか?
しかしニュージーランド・オタゴ大学(University of Otago)の研究グループによると、夜に軽い筋トレをした方が、逆によく眠れる可能性があるという。
この結果は、夜の運動がむしろ睡眠に良い影響を与えることを示したもので、運動不足と睡眠負債を抱えている私たち日本人にとっても気になるエビデンスです。
また、この研究で実際に行われた筋トレは、座りがちな生活の中に30分に1回、たった3分のエクササイズを実施するというものです。
テレビCMの間など、自宅でのリラックスタイムに軽いエクササイズでぐっすり眠れるようになるのであれば、是非取り入れてみたいです。
今回の研究結果は、学術雑誌『BMJ Open Sport & Exercise Medicine』に2024年7月16日付けで公開されています。
目次
- 寝不足の現代人
- 軽い筋トレなら寝る前にしてもOK
寝不足の現代人
日本人の睡眠時間が足りないことは多くのメディアで日々取り上げられていて、一度は聞いたことがある人も多いことでしょう。
実際、日本人の睡眠不足による経済損失は、年間15兆円にも上るという試算結果もあります。
とはいえ、単純に睡眠時間を増やそうと言われても、寝付きの悪い人にとって睡眠時間を増やすというのは簡単なことではありません。
睡眠時間を増やそうとベッドや布団にいる時間を長くしても、寝床にいる時間に対して実際に寝ている時間が変わらなければ睡眠効率は落ちてしまい、しっかり休めた感覚が得られない上、生活のリズムを崩してしまうケースもあります。
そのため睡眠時間を増やすためには、単に時間を確保するだけではなく、自然と寝付きを良くしたり、ぐっすりと眠れる条件を探す必要があります。睡眠は運動や栄養といった他の生活習慣とも関係しているため、寝床にいる時間を無理に伸ばすのではなく、他の生活習慣にアプローチをし、結果的に睡眠が良くなることを狙った方が良い場合もあります。
