これは、インボイス制度より4年前に導入された軽減税率についても、未だに計算誤りがあっても指導にとどめるという取り扱いがされること多いことから、当面このような対応が継続される可能性が高いと言えるでしょう。

しかし、それも、インボイス制度導入から3年間は、適格請求書発行事業者以外からの仕入れ等についても、経過措置として消費税相当額の8割の控除が認められていることも大きく起因していると思われます。

つまり、間違っていたとしても、追徴税額がせいぜい消費税額の2割なら、指導にとどめても良いだろうという判断だということです。

ですが、令和8年10月以降は、その経過措置は、消費税相当額の5割の控除に縮減がされます。

そうなると、指摘による追徴税額は消費税額の5割となることから、その期間以降の申告からは、いよいよ、指導だけではなく、修正を求められるケースも出てくるのではないかと思われます。

実際にインボイス関連で修正を求められたことはあるのか?

インボイス制度導入後の期間についての税務調査であっても、今のところ、インボイスの記載不備だけでなく、免税事業者からの仕入れについて確認がされ、修正をすべきとの指摘を受けたことはありません。

しかし、税務調査ではなく、還付申告の机上調査の段階では、すでにインボイスの経理処理の誤りについて指摘を受けたことがあります。

還付申告をする際には、還付明細書だけではなく、その計算根拠となった勘定科目別消費税明細書や還付の原因となった設備投資や仕入れ、外注費などの請求書の提示を求められます。

その中に、外注費への支払先で、適格請求書発行事業者に登録前の期間についても全額消費税が控除されているのを「申告内容を見直してほしい」との指摘を受けたのです。

こちらは、税務調査でもありませんし、そもそも還付額が減額されるだけなので、ペナルティはないのですが、還付については、かなりその内容についてシビアに確認はされるのは、インボイス以前から同じ。