また近年の親は子どもに対してより個性的な名前を与えていることも判明しました。
研究チームは今回の研究結果を受けて、「個性や他者との違いを重視し強調する方向に、日本文化が変容(個人主義化)している」と結論付けています。
こうした日本文化の個人主義化を示す知見は、家族構造や価値観の個人主義化を示す知見とも一致しているといいます。
おじいちゃん、おばあちゃんと家族が一緒に暮らすのが当たり前の時代なら、キラキラネームは付けづらいと予想できますが、核家族化が進んだ現代では、若い親が自らの感性で個性的な名前をつける割合は増えるでしょう。
こうした家族構成の変化を含めた社会の変容が、子どもの名前の変化にも現れている可能性があります。
「本多平八郎忠勝」みたいな名前が現代にはないことを考えれば、こうした変化が起きていくのは当然の事かもしれません。
研究者たちは、現在の新型コロナウイルスの蔓延も日本社会に大きな変容を与える要因であると考えており、これが新生児の名づけや日本文化に与える影響についても、今後検証していきたいと述べています。
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参考文献
個性的な名前は1980年代から40年間にわたって増加している ~地方自治体の広報誌に掲載された新生児の名前を分析~
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20220706_3276.html
元論文
Unique names increased in Japan over 40 years: Baby names published in municipality newsletters show a rise in individualism, 1979-2018
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666622722000132
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。