縄張りを持つ鮎は一部

縄張りは、良い流れが当たる石に苔が多く育つ“食糧庫”ですが、範囲としては1m²程度で、個体数によって差もあるものの、おおよそこの程度の広さとされています。ここに縄張り鮎がいます。

しかし、その数は少なく、学術論文などでも縄張りを持つ鮎は全体の10~20%程度とされ、大半は縄張りを持たない“群れ鮎”だそうです。1m²の家を持てる個体数が限られるというのも納得の話です。

例えば、釣られてしまって不在となった縄張りには、すぐに“あぶれ鮎”(縄張りを持てなかった鮎)が入り込むそうです。これは、マダコが巣を持っていて、エサが豊富な場所の空き家にはすぐに別の個体が住み着くのと同じ理屈かもしれません。

飛び跳ねる鮎

縄張りに侵入して追い払われる際、一目散に跳ねて逃げる鮎がいます。青物に追われたイワシのような行動です。その場をじっと見ていると、苔の付いた石の周囲を高速で巡回している縄張り鮎の姿が確認できます。

ただし、前日に釣られて空き家となった縄張りにはすぐ新しい鮎が入るとされていますが、これはケースによるようです。その見極めこそが釣果に直結する“目”なのだと思います。

釣れる縄張り鮎ほど型が良く、追い星のある黄色くきれいな個体で、今回はまさにそれに納得する釣行となりました。

イライラさせて16cm鮎ヒット

今回のフィールドは兵庫県の矢田川。課題は「投げない・巻かない・ステイでイライラさせること」を徹底すること。ルアーの周囲に魚影があってもすぐにはアタックしてきませんが、そこをじっくり待ちます。これはおとり釣りとの違いでしょう。

リールは巻かず、ルアーをステイさせながら上下左右に動かしてイラつかせると、ゴツンとアタリが出ました。引きも見せてくれる1匹目は、追い星のある16cmほどの鮎。これだ、やはりステイに反応してアタックしてきます。

「投げない&巻かないが正解?」ルアーで18cm筆頭に鮎4匹をキャッチ【兵庫・矢田川】1匹目のアユをゲット(提供:TSURINEWSライター・丸山明)

ステイで鮎が連打