マッコウクジラは世界一深くまで潜水ができる哺乳類で、水深3000mまで潜ることができると言われています。メンダコやデメニギスよりもよほど深い水深までいけると思うと、その潜水能力に驚かされますね。

6000m以上「超深層」

6000m以上の深さになると、「超深層」と呼ばれます。

深層と同じくまだ調査が進んでいない未知の領域ですが、クサウオの仲間であるスネイルフィッシュなど、生き物の存在が確認されています。

深海探索の挑戦と壁

地球最後のフロンティアである深海。宇宙にまで進出した人類が思うように深海探索を進められていないのには、「水圧」「低温」「暗闇」の3つの理由があります。

人間の行く手を阻む水圧

まず水圧は10m潜るごとに1気圧増え、その分物体を押し潰そうとする力が働きます。水深200mの深海の場合は20気圧となり、この水圧にカップ麺を沈めた場合は片手サイズまで圧縮してしまうほどの力です。

水深200mでさえそれだけの力なので、1000mまで潜った場合は指先ほどの面積に力士が4人乗っているほどの力がかかっています。

深海で思うように探索するためには、それらの力に耐えうるように潜水艦を作らなければなりません。有人調査がたどり着いたもっとも深い深海は、マリアナ海溝の最深部チャレンジャー海淵の1万900mの世界です。

1000mの10倍になる1万mの水圧は、1平方センチの面積に約1トンと同じ力がかかるというとんでもない環境です。

水深10,000m以上!未開の深海世界への挑戦 探索を阻む<3つの理由>とは?日本の潜水調査艇の嚆矢、しんかいHU-06(提供:PhotoAC)

チャレンジャー海淵への挑戦は、まず1960年にスイス人のジャック・ピカールと米海軍ドン・ウォルシュ大尉の2人がトリエステ号で1万916mプラスマイナス5mに到達。有人潜航では、2012年に映画監督ジェームズ・キャメロンがディープシーチャレンジャー号で1万898mを記録しています。

どちらの挑戦も船体に破損が生じたことが理由で早期浮上を余儀なくされています。