若年プレミアムの終焉は近い。企業が「扱いづらい若手」ではなく、「AIや外国人労働者」を選ぶ未来は、すでに現実味を帯びている。

「若さ」という錯覚資産

若さとは、決して“価値そのもの”ではない。企業にとって若者とは、将来的な価値創出を期待された“ベットの対象”という段階でしかない。パフォーマンスが上がらなければ、年齢に関係なく切り捨てられる時代になっている。昨今、黒字経営でもリストラを敢行する日本企業も取り上げられるようになった。

だが、若さという資産の“換金性”は確実に減価していく。そのまま年を取れば「権利ばかり主張し、仕事ができない中年」として市場に放り出されるだろう。こうなれば厳し言い方をすると引き取り手は誰もいなくなる。

一方でスキル・実績・協調性があれば、たとえ残業を拒否しても価値で評価される。周囲も納得し、組織もその人物を戦力として信頼する。今こそ「若さで許される時期」を「実力で信頼される時期」へ転換する意識が求められる。

若い内にやっておくべきこと

以上を踏まえると、若い時期は「自分本位にマイペースに振る舞う」よりも「若さという錯覚資産から価値を最大限引き出す」という行動こそがコスパがいいということになる。具体的には次のような取り組みが良いだろう。

1つ目はスキル×AI活用力だ。プロンプト設計、業務自動化、可視化スキルは、生成AI時代の必須素養だ。特に生成AIについては、新しいテクノロジーに及び腰な中高年より、20代前半独身で時間資源や体力豊富な若者こそが圧倒的に有利だろう。

2つ目にビジネスコミュニケーションである。報連相やフィードバックは「面倒な義務」ではなくビジネス界のルールに近い。

自社ではスルーされる無礼も、取引先に向けると損をするのは自分自身だ。若ければ少しくらいの非礼は許されやすい、その間に年を取ってから信用を失わないようなビジネスコミュニケーションを身に着けておくべきだろう。