石破にすぐに辞任されては高市が総裁になるわけでそうなれば粛正までやってきてせっかく手に入れた権力を手放すことになります。

麻生派、茂木派、安倍派が手を組めば岸田派と菅義偉派(+二階派)と石破派では数が足りず勝てません。

まして今度は麻生派や茂木派から中間派を騙して寝返らせるのは至難の業でしょう。

嘘までついて総裁選をやった直後でしたからね。

石破がやめれば再び総裁選となるわけですが短期間に二度同じ手を使って成功させるのは無理があります。

昨年の衆議院選挙の大敗を考えたら党の事を考えるのなら、石破をすぐに辞めさせる以外の選択肢はなかったのですが、岸田文雄らはそうは考えませんでした。

だからこそ石破と森山の居直りが通用したわけです。

衆議院選挙、都議会議員選挙、参議院選挙といずれも大敗し、なお責任を取ろうとしない石破では筋が通りません。

ですが、岸田文雄と菅義偉という目先の権力のために昨年党を半壊させても石破を続投させてきたような程度の人達ですから、可能ならば権力を握り続けたいと考えると思います。

党を半壊させたというのに党勢を回復させる戦略が全くないまま石破を居座らせて参議院でも過半数割れにさせる程度なのですから。

参議院選挙が終わったからどうせあと3年は粘れる、くらいの気持ちではないでしょうか?

とすると岸田文雄も菅義偉も「責任を取るのが筋だろ」というような発言は自分からは言い出さなかったのではないでしょうか?

昨日の麻生、岸田、菅義偉と石破との会談では麻生が自民党の総理総裁のこれまでの歴史と名誉を守るために辞めろと直接的な言及を避けているのを良い事に石破茂は話を先送りするような曖昧な言い方をしたのではないでしょうか?

これが読売が7月中にも退陣の意思を表明へ、毎日が8月にも辞任と書くなど、各社の報じる内容がバラバラになった背景ではないかと思います。

この麻生らとの会談後に石破茂が「進退の話については一切出ていない」「党の分裂ということは決してあってはならないということ等々いろんなお話がございました」などと記者に答えています。