それに対して面白い人は、自分の話を「しっかり編集」してから話す。「2泊3日の旅行で一番印象的だったのが、2日目に行った秘湯! まさかの雪の中露天風呂ですごく幻想的だった」とポイントを絞って話す。聞き手が「その話、もっと聞きたい」と思う箇所にフォーカスする。これは構成力があるということだ。

一方通行と対話

つまらない人は自分の話をすることに夢中で、相手がどんな表情をしているか、関心があるかどうかをまったく見ていない。話しながらリアクションを確認せず、延々と「独演会」が続く。

たとえば、飲み会の席で延々と自分の業務の愚痴や成功談を話し続ける人がいる。そういった場合はまったく相手のリアクションを見ないから、周囲はうなずくふりをしながらスマホをいじり出すことになる。

一方、面白い人は常に相手の反応を見ながら調整している。「あ、この話あんまり興味なさそうだな」と思えばサッと話題を切り替え、「そういえば〇〇さんは旅行好きだったよね?最近どこか行った?」と相手にボールを渡す。

会話のキャッチボールが始まることで、聞き手は飽きずに“参加している感覚”を持てるのだ。

意見がない

話がつまらない人は、抽象的な話ばかりで「ふーん」で終わる。「やっぱり健康が大事だよね」「前向きに生きよう」など、誰でも言えそうな正論だけが並ぶと、聞き手の脳は「この人の話は聞く価値がない」と判断して空転を始める。

一方で面白い人は、具体的なエピソードや描写を織り交ぜて話す。「仕事からくる過労で人生で初めて入院したよ。結局、入院中は案件が進められず、トータルで10万円の損。やっぱり健康こそコスパ最強だね」となれば、「確かに」「自分も気をつけなきゃ」と思わせる力がある。

また、「ミスはダメ」しか言わない人と、「毎日残業して頑張ってたのに、最後の提出でミスして、結局“雑な人”という印象だけが残った。あれで昇進に影響して悔しい思いをした。やっぱりミスはダメだ」という具体エピソードを語る人では、説得力に圧倒的な差が出る。