7月30日に日産スタジアムで開催予定の横浜FM対リバプールの試合では、ほぼ全ての席が1万円以上となっており、高額な席種は10万円を超える。7月27日に行われるモンテディオ山形対スタッド・ランスの試合でも、ゴール裏など一部の座席を除き基本的に1万円以上の価格設定だ。スタッド・ランスは来シーズン2部への降格が決定しており、名門クラブの来日とはいえ2部クラブ同士の試合となるため、価格の割高感は否めない。
また、2023年夏に来日したマンチェスター・シティ(イングランド1部)は、国立競技場での試合にも関わらず空席が目立った。チケット価格は最安で8,000円台、なかには7万円を超えるVIP席もありファン層との価格感覚のギャップが浮き彫りになった。さらに、マンチェスター・シティやバイエルン・ミュンヘン(ドイツ1部)などスター軍団の来日にもかかわらず、公式戦とは異なる“イベント感”に熱心なサッカーファンが冷めた目を向けているのも事実だ。
選手との距離感や出場時間が読めない中、5桁の高額チケットを購入する決断は容易でない。SNS上に「スター選手が来るのは嬉しいが、価格が現実的ではない」「親子で行ったら交通費も含めて5万円以上になる」といった声が挙がるのも当然だろう。
さらに近年では、主力選手が帯同してもプレー時間が限定的であったり、直前で欠場するケースも増えている。これまでも一部の欧州クラブが若手主体で臨み、観客の期待を裏切ったとする声もある。憧れのスター選手がピッチに立たない可能性が観戦をためらわせる大きな要因となっているのは明らかだ。

夏季ツアーはアメリカ重視へ
近年、欧州クラブによるプレシーズンツアーの中心は、日本やアジア諸国からアメリカへと大きくシフトしている。経済規模が巨大であり、若年層を中心にサッカー人気が急速に高まっているからだ。