だからこそ、自分から「久しぶりに会わない?」「最近どう?」と一言連絡を入れるだけで、関係が一気に動き出すことがあります。

もうひとつの大切な視点が、「弱いつながり」に目を向けることです。

これはカナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)が2014年に発表した研究に基づく知見です。

近所の人や職場の同僚だけでなく、「カフェの店員」「図書館の職員」「同じ時間帯の通勤バスの運転手」などに目を向けられます。

彼らとは一見浅い関係でも、日常的に軽く挨拶を交わしたり、ちょっとした会話を続けることで、心の満足感や社会的つながりが強化されるといいます。

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今ある弱いつながりを大事にしよう / Credit:Canva

実際、こうした弱いつながりを多く持つ人ほど、幸福感や安心感が高いという結果が出ています。

いきなり「親友」を作ろうとしなくても、まずは近くにいる人たちと少しずつ距離を縮めていくことが大切なのです。

さらに、同じ人に何度も会っていると、自然と親しみを覚えるようになります。

恋愛ではよくそういったエピソードを耳にしますが、実は友情形成にも同様の効果があります。

たとえば、毎朝同じカフェに通う、同じ曜日のヨガ教室に出る、社内でランチに同じメンバーと行くようにする、といった“反復的な接触”が、自然と友情を育てる土壌になります。

ここまで考えてきたように、大人の友情に必要なのは、「自発性」や「継続」だと言えます。

大人になると、友達は勝手にはできません。

でも、ちょっと勇気を出して声をかけたり、小さなつながりを育てていくことで、確かに人との絆は戻ってきます。

今あなたが孤独を感じているとしても、誰かとさらなる友情を築くことはできます。

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参考文献

Why It’s Hard to Make Friends as a Grown-Up
https://www.psychologytoday.com/us/blog/i-hear-you/202507/why-its-hard-to-make-friends-as-a-grown-up