受注管理システムを導入するデメリット
受注管理システムには様々なメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあります。以下では、導入時に考慮すべき主なデメリットについて解説します。
「導入したけど使われていない…」初期コスト・教育コストの盲点
受注管理システムは導入すればすぐに業務改善が進むわけではありません。特に現場のITリテラシーが高くない企業では、「使い方が分からない」「入力が面倒」といった理由から、結局これまでの紙やExcel管理に戻ってしまうこともあります。
導入にはライセンス費用や初期設定費用がかかるだけでなく、社内での操作研修やマニュアル作成といった教育コストも発生します。これらが不足すると、せっかくのシステムも現場で活用されず、投資が無駄になるリスクがあるでしょう。
スムーズに定着させるには、導入初期にしっかりとサポートを受けながら、少しずつ現場に慣らしていく運用体制が不可欠です。
「便利だけど業務が合わない」既存フローとのズレ
受注管理システムは基本的な業務フローに対応していますが、企業ごとの固有の業務までは必ずしも吸収できるわけではありません。
たとえば、独自の承認手順や特殊な帳票出力が必要な場合、標準機能では対応しきれず、現場が「合わせる運用」を強いられることがあります。すると、使い勝手が悪くなり、手入力やExcelへの転記など、かえって業務が複雑になることも。
フロー不適合のリスク
- 独自の承認手順への対応不足
- 特殊な帳票出力への制限
- システムに合わせた運用変更の負担
- カスタマイズコストの発生
一部のシステムではカスタマイズ対応が可能ですが、費用と時間がかかる点に注意が必要です。導入前には、自社の業務プロセスを丁寧に棚卸しし、どこまでシステムにフィットするかを確認することが大切です。
「ネットが落ちたら終わり?」クラウド依存のリスク
近年主流となっているクラウド型受注管理システムは、インターネット接続が前提です。
便利で柔軟な反面、ネットワーク障害やクラウドベンダー側のトラブルが発生した場合、業務が一時的に完全停止してしまうリスクがあります。
たとえば、倉庫からの出荷指示が出せない、営業が受注状況を確認できないなど、日常業務に大きな支障が出ることもあります。また、クラウドのセキュリティ対策やサーバー稼働実績などもサービスによって異なるため、導入前にチェックが必要です。
BCP(事業継続計画)の一環として、ネット障害時の代替手段や手動対応のマニュアルを用意しておくと安心でしょう。