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(前回:参議院選挙「真の争点」①:中国人富裕層の影響力?)
参議院議員選挙、各党が公約を出している。減税、給付金などいろいろ提案されている政策にせよ、財源についてはある程度考えないといけないだろう。
個人的には、政策評価をしっかりやり、優先順位をつければ、財源などすぐに見つかる。もっと簡単にいえば、政党の背後にいる利益団体の利益を減らせばいいだけ。つまり、租税特別措置や利益団体への補助金を減額すればいい。「財源の裏付け」で批判しあう議論は不毛であり、実際はそんなに難しいことではない。
各党は減税などの財源については以下のように考えているようだ。
自民党:税収の上振れ 公明党:国の税収増活用 立憲民主党:赤字国債は発行せず、つみすぎた基金や租税特別措置の見直し分 日本維新の会:税収の上振れ 国民民主党:税収の上振れ、赤字国債の発行、外為特会を始めとした特別会計の運用益、基金の残高で不要不急のもの 共産党:大企業の内部留保の時限的課税で10兆円確保 れいわ新選組:大企業の法人税引き上げ、金融所得課税強化、国債発行
中でも、共産党やれいわ新選組が提起しているように、「大企業」の法人税、そして、「富裕層」への税金をどうするかが問われないといけないはずだ。
はっきり言うと、大企業は過去最高の収益を誇り、富裕層は株高で儲かり、多くの国民が苦しむ中、恵まれた環境での恩恵を受けてきたわけだ。賃金があがらなかったのは、企業がリストラをできなかったとはいえ、適正に賃金をあげることが難しかったから、そして富裕層は税制が優遇されすぎてしまったのだ。
政治はこれまで儲かりまくった人たちや組織に我慢を説得するべきだったのだが、企業団体献金をくれるスポンサーには逆らえなかった。これが日本の失われた30年の本質である。適正な賃上げと物価高を許容し、応分の税負担を求め、同時に雇用の流動化を求めていれば、産業構造改革が進み、今のような日本の経済衰退は防がれたのかもしれない。