似たような戦略を取るビジネスマンもいる。ある程度、難しい言葉でもそのまま理解してくれる相手に届けたいという意図がある場合もある。
詐欺師が極論をわかりやすく伝える理由
また、その逆に詐欺師は扱いやすいターゲットを選出するため、あえて極論や感情を揺さぶる「最短最速で成功」とか「一生安定」といった言葉ばかりを使う。
彼らの詐欺を見抜ける人からすると「そんなバカげた与太話を誰が信じるのか?」と失笑するところだが、詐欺師は彼らの意図を見抜く相手ではなく、何でも疑わずに鵜呑みにする相手に絞っている。彼らは「マーケティング」として言葉の平易さを活用しているのだ。
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難しい言葉を一律に否定する風潮は、「わかりやすさ」の名のもとに知性の貧困化を招く危険がある。大事なのは、「使うべき場面で使いこなせる力」と「必要に応じて平易な言葉に置き換える力」の両方を持つことだ。
わかりにくさや情報の圧縮率の高さを避けてばかりだと、騙されやすくなり知性は積み上がっていかない。時には言葉の難しさに立ち向かう勇気も成長には必要なのだ。
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