これは、「尽くすことに価値を感じる」人や「人の役に立ちたい」という気質を持つ人ほど、抜け出しにくい罠です。

誰かに“支えになる存在”であることに価値を感じる人も多くいますが、その役割に縛られてしまうと、いざ自分が誰かに頼りたいとき、「弱音を吐いたらダメだ」「私はいつも支える側でなければ」と、自分を追い詰めてしまうことになります。

画像
誉め言葉の裏側にある「条件」や「束縛」を見抜く / Credit:Canva

では、どうすればこのような誉め言葉に縛られずに、自分の感情を守ることができるのでしょうか?

それは、賞賛の裏にある“条件”を見抜く目を持つことです。

たとえば、こんな問いかけを自分にしてみてください。

「私は本当に“冷静な人”なのか? それとも、そう“振る舞うことで評価されている”だけなのか?」

「相手は私を信頼しているのか? それとも感情のゴミ箱として利用しているのか?」

これらの問いを繰り返すことで、自分が“演じている役割”と“本来の自分”とのズレに気づくことができます。

そして、自分の感情を出すことに「罪悪感」を持たない環境を少しずつ作っていくことが大切です。

本当の信頼とは、感情を出しても壊れない関係の中にこそ育まれるものです。

たとえば「今日はちょっとしんどい」と伝えることから始めてみるのも、一歩です。

あなたが「穏やかであること」や「聞き役であること」以上に大切なのは、自分を自由に表現できる心のスペースを保つことではないでしょうか。

全ての画像を見る

参考文献

2 Compliments That Are ‘Terms and Conditions’ in Disguise
https://www.psychologytoday.com/us/blog/social-instincts/202507/2-compliments-that-are-terms-and-conditions-in-disguise