5. 1年越しの絶望的な救難信号:アントワネット・カイディート

 9歳の少女、アントワネット・カイディートは、自宅のドアをノックした見知らぬ男に誘拐された。それから1年後の1987年、ニューメキシコ州ギャラップの警察に一本の電話が入る。電話の主は、アントワネットを名乗る少女だった。

 彼女が「アルバカーキにいるの」とオペレーターに伝えた瞬間、怒った男の声が割り込んだ。「誰が電話を使っていいと言った!」。少女の悲鳴が響き渡り、通話は切断された。一瞬の希望は深い絶望に叩き落とされた。彼女の事件は今も未解決である。

6. すすり泣く声のボイスメール:モーラ・マレー

 2004年、マサチューセッツ大学の看護学生モーラ・マレー(21歳)は、不可解な行動の末に姿を消した。彼女は失踪前、荷物のほとんどをまとめ、教授には「家族の葬儀で一週間留守にする」と嘘のメールを送っていた。そして、ニューハンプシャー州の雪道で車を滑らせて木に衝突。通りかかった人に助けを断り、警察が到着した時には現場から消えていた。

 彼女の行方を捜すため現地に向かっていた恋人の元に、一本のボイスメールが届く。そこには女性がすすり泣く声だけが記録されていた。彼はそれがモーラの声だと信じている。この謎に満ちた事件は、アメリカで最も有名な未解決事件の一つとして今なお多くの人々の関心を集めている。

失踪直前に残された“最後の声”… 6つの未解決事件に刻まれた戦慄のメッセージの画像3
(画像=画像は「FBI」より)

 最も残酷なのは、希望とも絶望ともつかないこの「最後のメッセージ」を、遺された家族や友人たちが、生涯抱えて生きていかねばならないことかもしれない。

参考:Ranker、ほか

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