また、CCP-30の冷却性能は、市販の冷却塗料の性能を上回り、CCP-30を塗布した住宅ではエアコンによる電力消費が30〜40%も削減されました。

この数字は、エネルギーコストだけでなく、CO2排出量の削減にも直結します。

実際、CCP-30は通常の白塗料と比較してCO2排出量が28%も削減されました。

今後は、さらに広範囲な実証試験や量産化に向けた工程の最適化が進められる見込みです。

特に中東や東南アジアなど、高温多湿で冷房需要が高い地域においては、CCP-30が都市のヒートアイランド現象を抑制し、持続可能な都市設計の一助となることが期待されています。

今後、電力も機械も使わず、「汗をかく」ようにして内部を冷やす建物が増えていくかもしれません。

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参考文献

This paint ‘sweats’ to keep your house cool
https://www.sciencenews.org/article/this-paint-sweats-keep-your-house-cool

Passive cooling paint sweats off heat to deliver 10X cooling and 30% energy savings
https://techxplore.com/news/2025-06-passive-cooling-10x-energy.html

元論文

Passive cooling paint enabled by rational design of thermal-optical and mass transfer properties
https://doi.org/10.1126/science.adt3372

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。