朝令暮改型のつぶやきは「発言の担保がない」わけで、後々トラブった場合、「俺は知らない。そんなことは指示していない」と逃げるのは目に見えています。よって欧州などは表向き、支援をする姿勢を見せていますが、実態は様子見に留まると思います。
エマニュエル トッド氏著の『西洋の敗北』の中でウクライナ問題を取り上げていますが、彼は人口学者故に民族という着眼で意見を述べています。その中でチェコスロバキアの分離を例えてウクライナもそれがナチュラルという視点に立っています。つまり、チェコスロバキアは連邦国家だったものが民族間の亀裂が明白になり、1993年に平和裏に分離したことを例にとり、氏はウクライナの民族分布的に一つの国家として括るのに無理があるという論調であります。
欧州は民族闘争が常にあり、それが戦争の火種になったことは歴史が証明しています。欧州だけではなくほぼ世界中の国で民族問題を抱えていますが、アジアなどでは主たる民族が少数民族を押さえるマジョリティ民族による圧政という構図だと思います。また仮に民族ごとに国家ができた場合、それは無数に増える公算があるわけですが、かつ独立国家を維持するための経済財政的基盤もなく、世界からの承認といった問題も含め、たやすくないのは事実であります。
私個人の考えとしては東部ウクライナと西部ウクライナを分離し、東部を独立させる折衷は妥当だと思っています。現在のアメリカとロシアの停戦案は東部のロシアへの割譲だったと思いますが、それは戦争の勝敗を明白にするため、より弾力を持たせる独立の方がふさわしいと見ています。(結果として東部ウクライナが親ロシア派になるのは自然の成り行きでしょう。)
またゼレンスキー氏は内閣改造を試みているようですが、そろそろ自身の大統領選をすべきだと思います。今のままではゼレンスキー氏が将来、皇帝のような状況になることもあり得るわけで、時代にそぐわないと思います。民主国家として国民の声と判断を聞くことも重要でしょう。今のゼレンスキー氏は独裁に近く、果たしてそれでよいのか、いったん問う勇気も必要かと思います。