活動後の振り返りの時間も欠かせません。経験したことを言語化し、共有することで、気づきが定着します。

また、福祉の専門家からフィードバックを得る機会を設けることで、より専門的な視点からの学びも深まります。この活動が将来の職業選択につながる視点を持てるよう、教員からの適切な助言も大切です。

高齢者との関わりを通じて、適切な人間関係の構築方法を学ぶ機会としても位置づけることができるでしょう。世代を超えたコミュニケーションの経験は、社会に出てからも役立つ貴重な財産となります。

win-winで持続可能な活動となることを期待

レンタル高校生の取り組みは、高齢化が進む地域社会において、若い世代が高齢者を支える新しい形の地域貢献活動として注目されています。この活動が持つ社会的意義は大きく、今後も多くの地域で同様の取り組みが広がっていく可能性があります。

しかし、そのためには労働問題とキャリア教育の両面からのバランスを取り、安全面やハラスメント防止にも十分配慮した持続可能な活動として発展させていくことが重要です。

高校生たちの善意と行動力を活かしながら、彼らの成長も支える―そんな win-win の関係を構築できる活動となっていくことを期待しています。

李 怜香 社会保険労務士・産業カウンセラー・ハラスメント防止コンサルタント 岐阜県生まれ。早稲田大学卒業。1999年、宇都宮市にて李社会保険労務士事務所(現 メンタルサポートろうむ)を開業。2011年、産業カウンセラー登録。2012年、ハラスメント防止コンサルタント認定、(公財)21世紀職業財団ハラスメント防止研修客員講師に就任。2019年、健康経営エキスパートアドバイザー認定(第1期)。 官公庁から大手企業、教育機関まで幅広い分野で研修実績がある、ハラスメント対策のエキスパート。ハラスメント外部相談窓口の相談対応や、事案解決支援の経験を活かした実践的な指導には定評があり、研修受講者からの満足度は90%以上。法的知識とカウンセリングスキルを組み合わせた独自のアプローチで、職場のメンタルヘルスやハラスメント防止の分野で、企業をサポートしている。