リアライズドVolは4月初旬のクラッシュが3ヶ月のスコープから外れつつあるため、今週あたりからクラッシュしないと、3ヶ月もののリアライズドVolも急低下し始める。これはVolコントロールの中でも足が遅い勢、または複数のテナーのリアライズドVolを観測している勢の買戻しを誘うことになる。
BofAの主体別フローはブラックアウトが始まると見事にコーポレートの買いが減っている。
BofAのディーラーガンマは6月Op Ex後も、エクストリーム高値シナリオはヘッジ不足、かたや下値はポジティブウォールの山がサポートになる構図が、少なくとも流れてきた7/2分の時点では変わっていない。
しかし6月対比では明らかに山も谷も相場に付いてくる形で上がってきており、6300のコールウォールが相場を追い越す形で立ち始めた。ポジティブガンマ域は二つに割れ始めており、6200割れで一旦極小値を迎え、6050あたりでもう一段とポジティブガンマの山が出て来るので、下落に転じた場合はそのあたりでショートカバーが出やすいと解釈される。
6月Op Exでこの山と谷は劇的には変化しなかったので今月も期待薄であるが、7月Op Exも金曜7/18に控えている。期待薄ではあるが、理論的にはポジティブガンマ域でOp Exを通過すると山が削れやすくなるため動きやすくなるとされている。
NAAIMは大した調整がなかったにもかかわらず少し冷静になっている。先週が調整になったのはNAAIMが99を付けたからであるが、今週は先週ほどは調整しやすくない。もっともそれでも楽観域にあることには変わりがない。
GSのセンチメントは中立で落ち着いており、奇しくもDBの統合ポジショニングの中立化と同じタイミングとなる。5、6、7月と続いてきた機関投資家のポジション不足感は概ね解消されたように見える。
奇しくも6100は多くの証券会社の年末ターゲットでもあり、ここで一旦中立になるのは居心地いいだろう。再び引上げラッシュと共に中立から新規ブルになるには利下げが実現して金融相場に入る必要があるように思え、実際GSなどは利下げを理由にS&P 500の年末ターゲットを引き上げた。ということは、利下げが遠ざかることは調整のきっかけとなり得る。そういう意味では7/15火曜寄り付き前のCPIは重要であり、ある程度そこでアンチ・ゴルディロックスになる可能性が警戒されている。