7/20の参議院選挙で、参政党が躍進する見込みだという。復古調で「自民党より右」とされる小政党はこれまでもあったが、選挙で台風の目となるほど勢いづく例は、戦後史上で初だろう。
「女性は出産・育児を最優先に」なニュアンスの、古めかしい家族規範が家父長的だと批判されているが、同党を支持する女性も多いらしい(というか女性候補者の割合は、れいわに次いで2位だ)。そうなる事情が書かれた記事を見つけた。
「参政党をトンデモ政党と捉えている人たちは次のように考えているはずです。……参政党はマッチョな体質であり、支持者も保守的な中高年男性が大半を占めるのだろう、と」
だが実際は逆の可能性があるという。
「参政党は反農薬、オーガニック農法を進めるという政策も掲げており、……反ワクチンという主張も陰謀論と結びついているというよりは、『家族にコロナを感染させないために自分が打つのは構わない。でも、子供にワクチンは不安』という母親の素朴な声によって支持されている」
「ネットメディアの編集者」による発言 (強調は引用者)
反ワクチンとは一種の宗教で、バカにする人も多いが、しかしまともな国には信教の自由があるので、本人が打たないのはかまわない。反ワクの問題はもっぱら、「わが家は反ワクで育てる」として子供にも接種させず、罹ると苦しむ病気に感染させてしまう家父長主義にある。
ところがコロナで起きたのは、「子供にも打たせろ! やらない家庭は社会の迷惑!」といった同調圧力で、家父長的に接種を強制する逆・反ワクだった。あのときヒャッハーだった人がいまさら「家父長主義はキケン!」と叫んでも、同類として嗤われるだけだし、かつそれが望ましい。