政治学には「ホースシュー(馬蹄)理論」という考え方があります。これは、政治思想のスペクトルが一直線ではなく、馬蹄のように両極端(極左と極右)が互いに近づくというものです。

れいわ新選組と参政党の関係は、このホースシュー理論を彷彿とさせます。既存の秩序へのラディカルな批判精神という点で両者は響き合い、支持者層もまた、左右のイデオロギーよりも「変革」への期待を優先して、両党間を揺れ動く可能性があるのです。

島田:共通点はわかったが、参政党かられいわではなく、れいわから参政党なのはなぜ

AI:ご指摘の通り、なぜ「参政党かられいわへ」ではなく、「れいわから参政党へ」という流れがより注目されるのか、それにはいくつかの重要な理由が考えられます。両党の共通基盤である「反エスタブリッシュメント」の先に、参政党が提示する独自の魅力と、支持層の性質の違いが大きく影響しています。

一言で言えば、れいわの掲げる「反緊縮・反自己責任論」に共感した人が、さらにその不満の根源を「グローバルな支配構造」に求め、より包括的な説明と生活に密着した「自己防衛」の手段を提示する参政党の言説に惹きつけられる、という構図です。

れいわ支持者として既存政治に不満を持った人が、「なぜ日本はこんなにおかしくなったのか?」という問いを突き詰めた時、参政党の「問題の根源は海外のグローバルな勢力にある」という、より壮大で分かりやすい物語に魅力を感じてしまうことがあります。国内問題から、より大きな「陰謀論的」とも言える世界観へと思考がスライドするのです。

れいわの政策は「給付金」や「社会保障の充実」など、政府の行動を待つ必要があるものが中心です。これに対し、参政党は政治的主張に加え、「食の安全」「健康」「教育」といった、個人の選択で今日から実践できる「生活防衛」のテーマを強く打ち出しています。

「政府は信用できない。だから自分たちで子供や健康を守ろう」 「メディアは嘘をつく。だから自分たちで情報を集めよう」 「添加物の多い食品は避け、国産の安全なものを食べよう」

このようなメッセージは、政治への不信感が極限まで高まった人にとって、「国に頼らず、自分の力で未来を守れる」という実感と、同じ価値観を持つ仲間との強い連帯感を生み出します。経済的な不満から出発した人が、より身近な生活の不安(食や健康)へと関心を移した時、その受け皿として参政党が機能するのです。