とはいえ、SNSを流れてくる氏の発言を読んでた人からすれば、これほどわかりやすい展開もないでしょうね。

というのも、氏のここ数年の言動は「キャリア的に行き詰まった電波芸人特有のもの」であり、そうした言動を評価してくれるオールド左翼層の中でなにがしかのポジションを得るためのツールだったからです。

もし氏がSNS上で政治的発言をしていなかったら。たぶんほとんどの人はラサール石井なんて名前はとっくに忘れていたんじゃないですかね。

どんなにしょうもない発言であってもSNSで垂れ流してれば、こたつライターがスポーツ新聞の一本3千円くらいの記事のネタに使ってくれるから一応メディアに名前は流れるわけですよ。

与党の大物政治家なんかを批評すれば、それがどんなに中身がないイチャモンでも、東京新聞あたりが社会面の穴埋めに名前出してくれたりするわけです。

そうやって地道に知名度をキープできていると、こうして老舗左派政党からお呼びがかかるわけです。

まあどうせもうすぐ消滅する社民党だし本人も落選するんでしょうけど、今後はプロフに元芸人じゃなくて“政治家”とか“社民党候補”とかつくから、老人左翼界隈の中ではステージが上がることになります。なにがしかの仕事の機会も増えるはず。

要するにラサール石井氏は、限界左翼村の名誉村民として第二の人生を再スタートできるわけです。

ちなみに立候補するとテレビやラジオの出演は自粛するものですけど、氏についてはその心配はいらないのは言うまでもありません。

福島みずほ 参議院議員 社民党党首 Xより

意外と気づいてない人も多いんですが、実はこの「限界左翼村へのキャリアパス」というのは結構メジャーで、過去何人もの夢破れた勇者たちがたどった道でもあります。

記憶に新しいところでは、経産省を辞して報道ステーションのコメンテーターとして世に出るも、リストラされることが決まって逆切れ、あろうことか報ステ生放送中に「政権の圧力がありました」と大暴走した古賀茂明氏がそうですね。