その結果、骨なしの餌を与えたときにはカルシウムやリンを多く含む粒子は生成されませんでしたが、丸ごとのネズミまたはカルシウム補給済みの餌を与えた場合には、細胞内のクリプトがカルシウム・リン・鉄の大きな粒子で満たされていたことが確認されました。
この反応は極めてダイナミックで、食べたものに応じて細胞の活動が切り替わることを意味しています。
さらにこの細胞は、ビルマニシキヘビだけではなく、他のニシキヘビ類やボア類、さらには有毒トカゲであるヒラモンスターにも存在することが確認されました。
チームは、この細胞が古い爬虫類の共通祖先から進化してきたのか、それとも骨を食べる習性をもつ種がそれぞれに“独立して”獲得したのかに注目しています。
また、魚の骨を丸ごと食べる海洋捕食者や、骨ばかり食べる鳥「ヒゲワシ」などにも、同じような細胞があるのではないかと推測しています。
もしそうだとすれば、「骨を完全に消化する」という能力は、自然界で何度も進化してきた特殊能力だということになるでしょう。
全ての画像を見る
参考文献
New “bone-digesting” cell type discovered in pythons
https://www.eurekalert.org/news-releases/1089835
New Cell Discovered in Pythons Allows Them to Completely Digest Bones
https://www.sciencealert.com/new-cell-discovered-in-pythons-allows-them-to-completely-digest-bones
元論文
Diet-dependent production of calcium- and phosphorus-rich ‘spheroids’ along the intestine of Burmese pythons: identification of a new cell type?
https://doi.org/10.1242/jeb.249620