
J3リーグのSC相模原が、神奈川県相模原市に隣接する海老名市に新たなホームスタジアムを建設する整備計画をJリーグに提出したことが、6月30日に明らかになった。
現在の相模原ギオンスタジアムは収容人数約6,000人とJ2ライセンス基準(1万人以上)やJ1ライセンス基準(1万5,000人以上)を満たさず、昇格を目指す上で新スタジアムの整備が求められていた。
本記事では、この移転計画の背景と、ホームタウンの変更に伴うクラブ名変更の可能性、そして新たな名称候補とその意義について考察する。

海老名市に移転計画の背景
SC相模原は2008年に元日本代表MF望月重良氏を中心に設立され、相模原市をホームタウンとして活動を開始。2018年に座間市、綾瀬市、愛川町、2021年に海老名市がホームタウンに加わった。
J2基準やJ1基準の新スタジアムを求められ、当初クラブは相模原市中央区の「米陸軍相模総合補給廠一部返還地」に建設を計画したが、今年5月に相模原市がオフィスビル建設計画を優先したため断念(出典:相模原市公式サイト)。その結果、ホームタウンの1つである海老名市にJ1基準の1万5,000人以上を収容可能な多目的スタジアムを建設する計画を提出したようだ。
海老名市の財政力指数は0.92と、相模原市の0.83(いずれも令和5年度/総務省発表)を上回り、令和4年度には1.03で交付税不交付団体になるなど、財政的に比較的余裕がある(出典:総務省令和5年度財政力指数)。この財政力は、スタジアム建設の後押しとなる可能性があるだろう。
相模原市の本村賢太郎市長は6月の定例記者会見で「市外への移転計画は率直に残念」と述べたが、クラブは海老名市への移転を決断。