忙しい日々のなかで、手軽に食べられるソーセージやハンバーガー、ジュースやスナック菓子などの超加工食品に頼る人は少なくありません。

「超加工食品が健康によくないのは知ってるけれど、別に毎日たくさん食べてるわけじゃないから大丈夫でしょう」

そう思っている方も多いでしょう。

しかし残念ながら、加工食品は少量の摂取でも体にダメージを与えてしまうようです。

米ワシントン大学(University of Washington)の最新研究で、超加工食品の摂取は、ごく少量でも2型糖尿病や心臓病、大腸がんのリスクを上昇させることが明らかになりました。

たった1本のホットドッグや1缶の清涼飲料水が、病気の種になってしまうかもしれません。

研究の詳細は2025年6月30日付で医学誌『Nature Medicine』に掲載されています。

 

目次

  • 「超加工食品」は少量の摂取でもよくない?
  • なぜ超加工食品は害悪なのか?代わりに食べるべき食品とは?

「超加工食品」は少量の摂取でもよくない?

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Credit: canva

私たちの身の回りには、「超加工食品」と呼ばれる食品があふれています。

たとえば――

・ホットドッグやソーセージ、ベーコンなどの加工肉

・コーラや清涼飲料、エナジードリンクなどの加糖飲料

・マーガリンやスナック菓子に含まれる人工トランス脂肪酸

これらの食品は「すぐに食べられる」「長持ちする」「味が濃くて美味しい」といった特徴がある一方で、健康に及ぼす影響が懸念され続けてきました。

ワシントン大学が主導した今回の研究では、60件以上の研究データを統合・分析。

新たなメタ解析手法を用いて、加工肉・加糖飲料・トランス脂肪酸と、2型糖尿病、虚血性心疾患(心臓の血流が不足する病気)、大腸がんとの関係が調査されました。

その結果、以下のような驚くべき事実が明らかになったのです。

・加工肉を1日50g(ホットドッグ1本程度)でも食べると、2型糖尿病のリスクが30%増加、大腸がんは26%、心臓病は15%上昇